アニイベZイベントレポート│Re:animation Extream 02(東京・代官山)Space Odd 2017年4月15日(土)#reani_dj





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アニイベZイベントレポート│Re:animation Extream 02

(東京・代官山)Space Odd 2017年4月15日(土)

桜の旬が過ぎ、麗らかな春の盛りを感じさせる日差し差す2017年4月15日(土)。Re:animation Extream 02(以下「リアニEX02」)が前回と同じ会場である代官山Space Oddにて開催された。

_36E0662photo がくにゃん

来る7月にお台場での開催が決定している野外フェスであるところの「Re:animeation 10」と対として企図された当イベント。無限に広がる空の下で行われる解放感に溢れる巨大な祭りを前にして、限られた地下の会場室内にどのような仕掛けを設えて我々を楽しませてくれたのか。

_36E0622asanoappy/photo がくにゃん

15時10分オープンと同時にメインフロアに音が流れ始めた。一番手、asanoappyが名曲『春よ、こい』”SPRINGS”のカバーでスタートを切り、会場前に列をなし、続々とフロアへ飛び込んでくる聴衆たちをしっとりとした雰囲気で出迎えた。
女性ボーカル曲のRemix中心のゆったりした構成から、次第にベースの効いた楽曲が増え始め、スペースが埋まってきたフロアが非日常の空間へと変貌していく。

_36E0653Hedonist/photo がくにゃん

_36E0720 (1)Fish&chips/photo がくにゃん

続いてHedonist、Fish&chipsとRe:animeation(以下「リアニ」)おなじみのレジデントDJがバトンを受け、会場を盛り上げる。
幾重にも重なって迫り来る音を聴くという範囲を超えて、もう音を心臓で、体全体で受け止めている感覚になってくる。
体が勝手に動く。

_1040181Fish&chips/photo 藤内啓一

かかる曲はアニソンだけではないし、原曲からかなりRemixされたものもある。しかし感覚が受けた情動をそのまま正直に行動させる基礎が3組のDJの確かな技術によりフロアに作られた。

_36E0752photo がくにゃん

ここで3月に募集されたHiroshi Watanabe “Dignity of Life” Remixコンテストの優秀者発表と受賞が行われた。
ビギナー部門がatosによる『kanata remix』。
総合部門がRei Sawakuraによる『BlueTwinkleRemix』。
Hiroshi Watanabe氏による総評で、受賞の両者への栄誉、及び参加者たちの作品への賛辞が伝えられる。

そしてステージに立ったのは今回のGuestDJとして招聘されたメインフロアでは紅一点の松下。普段は歌い手としてマイクを持つ手に星型のサイリウムを携えて、ターンテーブルを挟んで観客と向かい合う。
彼女が何を流すのかと待ち構えるファンたちに放たれたのは、とにかく彼女のアニメ愛が溢れんばかりに内包された新旧織り交ぜたアニソン原曲、原曲、原曲の嵐。
“ソードアート・オンライン”OPのLiSA『crossing field』に始まり、”幼女戦記”EDのターニャ・デグレチャフ『Los! Los! Los!』。”セイクリッドセブン”OP”FictionJunction”『stone cold』など全曲を挙げることはできないが、アニメ好きの心をガッチリと掴むヒートアップ不可避の選曲とステージ巧者なトークでの煽りが折り重なり、サイリウムの光が乱れ飛んで場内の興奮度はいや増していく。
そして終盤に持ち込まれる、”偽物語”OPの”阿良々木月火”『白金ディスコ』、”機巧少女は傷つかない”EDの”歌組雪月花”『回レ!雪月花』、”のうりん”OPの”田村ゆかり”『秘密の扉から会いにきて』。曲名を列挙しただけでどういった事態になるか説明不要であろう怒涛のアンセムラッシュ。
その上でラストに”けものフレンズ”OPの” どうぶつビスケッツ×PPP”『ようこそジャパリパークへ』という一人で全部持っていく気なのかと思わせる締めで熱狂する舞台を後にした。

_36E0801 (1)後藤王様/photo がくにゃん

前回のRe:animation Extream 01でも行われた「知らないアニソンでは盛り上がれない撲滅委員会」。今回DJの後藤王様が、まだ発売前の楽曲も含んだ4月期新曲アニソンをここぞとばかりに紹介し、お待ちかね緒方恵美『real/dummy』”サイレント”トークショーの時間となった。

声優界きってのイケボと評される緒方恵美を招いて行われたこの企画。通常の音響スピーカーではなく、話者の声を直接耳元へと届ける「サイレントPAシステム」を使用し、ダミーヘッドマイクで拾った彼女の声を、来場者が持つ専用レシーバーから聴くという、かなり実験的なものである。
それ故に出演者、聴衆の双方に戸惑いと新しいものへの驚きがあった。
正直に言ってしまえば、始まる前に想像していた盛り上がりとはかなり違った会場の雰囲気になっていた。静かなのだ。もちろんあの緒方恵美が数メートル前にいるという興奮はある。だが、いやだからこそ耳元から聞こえる彼女の声を聴き逃したく無いという思いに駆られて、居並ぶオーディエンスは耳に挿した自分のイヤホンに集中し声を潜めて耳をすませる。
その光景はかなりイベントとして異質なものであったと思うが、そういった違和感も含めて普段とは違った声優界のレジェンドの姿、声を楽しめたのは実験的企画ならではのものであったのではないだろうか。

ここで女性DJたちが陣取っていたラウンジエリアのことに触れないわけにはいかない。
地下2Fのメインフロアが緒方恵美の声に聴き惚れ、静かになっているちょうどその時。頭の上、地下1Fのラウンジエリアから歓声が降ってきた。
メインの静寂の虚を縫ってラウンジでDJをしていたツナが爆上げしていたのだ。
恥ずかしながら錚々たるメインフロアの演者たちを見れば、ラウンジはそれこそ休憩的な意味合いで落ち着いたものになるであろうと予想していた。しかし、うさえ、mxixotan、ツナ、さとい、pandakeikoの5人はそれぞれの得意分野を充分に発露し、メインがRemix中心の前半は原曲が多めで、原曲の比率が高くなった後半はRemix色を出して真っ向勝負をしていた。
このお陰でメイン、ラウンジどちらに居ても楽しめる十全の空間ができあがっていたのだ。

_1040206onion/photo 藤内啓一

さて話をメインに戻すと、少し静かになったフロアにGuestDJのonionが立った。
緒方恵美というあまりにも大きなインパクトの後で、少々落ち着き気味になったオーディエンスに、彼は驚くほど直球のどアンセム祭りを叩き付けた。
余計なケレンを排し、良曲をきっちりと繋いでいくアニソンクラブイベントでのストロングスタイルが、フロアを十二分に盛り立て、DJ Muraによる特別企画 『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』×Re:animation スペシャルDJタイムへと続く。

_36E0891mura/photo がくにゃん

公式コラボイベントならではと言うべきだろうか。普通のDJプレイは複数の異なる背景を持つ楽曲を、DJの才覚によって取捨選択して繋げ、各プレイヤーの世界を表現するものであるが、この一つの物語世界を音楽と映像で凝縮して表現する試みはDJプレイというよりもオペラに近い印象を受けた。

_36E0895 (1)mura/photo がくにゃん

DJ Muraの技量で繋げられていく劇伴とOP、EDの楽曲たちと、そしてそれらにピッタリのタイミングで特大スクリーンに映し出されていくアニメ映像。もちろん原作や本編アニメを表現し尽くすには30分という時間は短すぎたであろうが、その後ろに広がる壮大で魅力的な世界を想像させるには充分なパフォーマンスであった。

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_1040167photo 藤内啓一

そう映像である。このイベントをVJ:VJ Spike-Bloom / SIGMA/ASTE を抜きで語ることはできない。世に様々な意見はあれど、音楽に適した映像の刺激が加われば気分の高まりが増大することに間違いは無さそうだ。そういった意味で先述の『魔法科高校の劣等生』の映像だけでなくリアニEX02全編を通しても今回のVJは圧巻であった。

_36E0690 (1)photo がくにゃん

_1040176photo 藤内啓一

どこまで前打合せが行われていたのは定かではないが、一見これから起こること既に決まっている予定のことなのではないかと思えるタイミングで、音楽と合致するクオリティの高い映像がスクリーンに描画される。その出来事自体を言葉で表現するのは難しく感じるが、長丁場のイベントで時間を忘れさせる没入感の絶対的に大きなファクターがそこにあった。

_36E0961ギニュ~特戦隊/photo がくにゃん

終盤となり登壇したのはギニュ~特戦隊。DJとサイリウムを用いたヲタ芸をメインとしたパフォーマンスチームだ。
アニソンクラブイベントではフロアの方で良く見るヲタ芸。そしてたまに迷惑がられているヲタ芸。しかしそんなヲタ芸を極め、昇華し、インターネットで配信される動画。そしてステージ上でのパフォーマンスとして取り入れたのが彼らだ。

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_1040243ギニュ~特戦隊/photo 藤内啓一

スピード感あるステージは、普段見慣れたものを基礎としているだけ受け入れやすく、観客もそこにいるのは自分たちの仲間なのだと前のめりに盛り上がる。

_36E0979spacetime/photo がくにゃん

そしてトリとしてspacetimeの時間が来た。
6時間に亘ったイベントも彼のDJで終わりである。そこで彼は選曲の中に過去のリアニ、そして次回リアニ10出演者が関わっている曲をふんだんに盛り込んだプレイで魅せる。それはリアニEX02を一つのイベントとして一時の消費してしまうのではなく、リアニという連続して存在する場所の一過程であること意識させ、これからも我々の歴史は続くのだという堅固な意思の表明であるのだろう。

_36E0989spacetime/photo がくにゃん

イベントを楽しむ方法は人それぞれだ。
気の合う友達とワイワイと騒ぐのも良し、全身を使って力の限り高まりを表現するのも良い。もちろん静かに楽曲に浸るのも有りだと思う。
そういったそれぞれのあり方に沿い、オーディエンスを盛り上げていく。
何となく全体が楽しい雰囲気に満たされ、観客、演者、スタッフがその一員となることができる。それがナイスパーティーではないだろうか。
その方法論は集まるオーディエンスにもよるし、確実な正解があるわけでもない。
ただ本当に大切なことは場所や規模ではなく、それぞれのナイスパーティーを作ることにどれだけ腐心するのかということに他ならないと実感する。
それだけこのイベントの聴衆が、出演者がそれぞれ楽しそうだったからだ。
規模が大き過ぎなくて距離が近いから? 有名人が出てるから? 決してそれだけではない。緒方恵美さんをはじめとした出演者、ゲスト、レジデント、スタッフ全員が一体となって、みんなを盛り上げるという強い意志を持って臨んでいるのが、その場の隅々まで行き渡っている。だから観客はそれに乗れる。当にリアニの強さを見た気がした。
これが更に野外、2ステージ、2DAYSとなった時、どのような増殖、拡大を見せてくれるのか、7月のリアニメーション10が楽しみになった。

_36E1016photo がくにゃん

イベント名:Re:animation Extream 02
http://anievez.com/archives/68461

取材日:2017年4月22日(土)
会場:代官山Space Odd(a.k.a. Sankeys TYO)
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町2-11-302
http://www.spaceodd.jp
http://www.sankeystokyo.info
パーティージャンル:オールジャンル

出演者
特別企画:緒方 恵美/ギニュ~特戦隊
Special Guest:松下
Guest DJ:Mura(月あかり夢てらす) / オニオン(Anison Index)
Lounge DJ:ツナ / うさえ / さとい / mxixotan / pandakeiko
Re:animation Resident DJ:後藤王様 / spacetime / Fish&Chips / Hedonist / asanoappy DJ
VJ:VJ Spike-Bloom / SIGMA/ASTE

主催・協賛・協力
企画・制作:合同会社アクペリエンス
協力:アニプレックス
©2016 佐島 勤/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/劇場版魔法科高校製作委員会

Re:animation 公式HP:http://reanimation.jp
Re:animation 公式Twitter:https://twitter.com/reanimationjp

PHOTO:がくにゃん
https://twitter.com/GAKU_NN
ライター/PHOTO:藤内啓一
https://twitter.com/fujiuchi

 

編集:ワタナベイチローちゃん(アニイベZ)

https://twitter.com/ichiro_chann

 

※記事の内容に誤りがございましたので一部を修正致しました。訂正してお詫び申し上げます。

「アイドルマスター””四条貴音”による名曲『春よ、こい』のカバー」

「『春よ、こい』”SPRINGS”のカバー」