アニイベZインタビュー│株式会社みぃまぐるーぷ 代表 Mura 夏の宴2017





HIN5847-1-001

_HIN5781-001

_HIN5915-001

午前5時過ぎ。東京・ディファ有明に展開されたGOLD FLOORの南側。
暗がりになった壁際には、踊り疲れて座り込んだり、寝ている参加者の姿も散見される。

ライトに照らされたフロア前方のステージ前ではまだまだたくさんの参加者たちがアニメソングに耳を傾け、ある者は友達と語らい、ある者は踊る。

_HIN5951-001

イベントが開始された頃からずっと降っていた雨のせいだろうか、窓のない広いフロアに長くいるせいだろうか、不安定な浮遊感に全身が包まれている。体が重い気もするし、軽々と動けるようにも思える。

_HIN5981-001

鳴り響く大音量のアニソンとともにワッ!と歓声が沸き上がるのが、遠くなったり近くなったりする。
ああ、これがアニソンクラブイベントで、この人たちがアニソンクラブイベントに来る人たちなんだと腑に落ちた。

_HIN5463-001

2017年8月10日(木)午後9時半。小雨舞う東京・ディファ有明は急ピッチでステージを組み上げるイベントスタッフたちが行き交っていた。午後10時の開場を前に、徐々に徐々に観客が集まり始める。

_HIN5468-001

メインであるところのGOLD FLOORが開く前に、通路沿いに並んで据えられたSILVER FLOORとMOGRA FLOORの前を埋めた人だかりが、流れ始めた楽曲に耳を傾けたり、他の来場者と談笑していた。

_HIN5481-001

関東を中心に厳選されたイベントを集めたアニソンクラブイベントの総決算は、今年でもう7年目を迎える。
今回は33イベント、MOGRA FLOORを含めると51人のDJがステージに上がった。

_HIN5551-001

彼らは多彩だ。プロとして活躍しているDJや音楽・エンターテインメント業界で働く人もいる、だがその大半は普段は音楽やエンターテインメントとは無関係の人がほとんどに違いない。しかし観客たちはそういったことを気にしない。

_HIN5925-001

_HIN5687-001

 

_HIN5846-001

主催の株式会社みぃまぐるーぷ代表のMura氏は、出演してもらうイベントを選んでいるという立場上不用意なことは言えないけどと笑いながら。

「舞台上にいる出演者は普段から観客を最大限楽しませようとしていて、それを実現している人たちです。だから自信を持って自分たちのできる範囲の最大限のパフォーマンスをこのイベントでも発揮して欲しいです」と語る。

_HIN5799-001

各イベントのエッセンスが詰め込まれた各ステージ。様々な趣向のハイライトが展開する会場は正に宴だ。各自で持ち寄った盛り上げ方、楽しませ方が確実に観客たちに届いていく。

_HIN5769-001

必ずしも一つの完成された強固な形だけが求められているわけではなく、曖昧でも、流動的でも塊の中に包摂される体験がアニソンクラブイベントという形式の楽しみ方なのではないだろうか。

_HIN5826-001

 

会場の中でワタナベイチローちゃん(渡邊一朗)(どうせ知らないと思うから書くが、この文章が掲載されているAnieveZ アニイベZの管理人)がしきりに「ディファカレー食べようかな」と言うのを聞いて、「この後主催者インタビューあんのに随分余裕こいてんなこの兄ちゃん」と思いながらフードコートに消えていく後ろ姿を見送った。

WS000007

そしてあまつさえ戻って来た時に「いやー、やっぱり美味しいですね。お腹一杯になったらちょっと眠くなっちゃいましたよ」とほざいていた。

 

Mura氏は忙しい合間にも関わらず、訪ねた我々をにこやかに迎えてくれた。

_HIN5847 (1)-001

「何でも話しますから、何でも訊いてくださいよ」

夏冬に開催される宴。このイベントがアニソンクラブイベントという一つのシーンの中で大きな意味を持っていることは間違いない。

_HIN5857-001

そしてその主催者は、「このイベント自体は言ってみれば展示会ですよね。イベントって沢山あるし、お客さんも場所とか時間とかあるから今まで行けてなかったり、知らなかったりするじゃないですか。だからここで大きいパーティーをやっているので、知らない人にも来てもらったりして、知ってもらえると意義があるんじゃないかなと思ってます」

と少しだけ真面目な面持ちで答えてくれた。

7年前、イベントが始まった頃に比べてこのシーンは拡大している。そこにアーティストが登壇する意味合いも若干変わっているように見受けられる。

_HIN5732-001

ただ参加者、観客の全てに通底する「好きで楽しいからやってる」だけは変わっていない。

どアンセムの原曲を繋ぐイベント、アニソンRemixで踊らせることに注力するイベント、達者なMCで観客を煽りまくるイベント。

それぞれアニソンが好きで、みんなで集まってアニソンを楽しむ方法を提示していく。

_HIN5896-001

日夜、どこかで行われているアニソンクラブイベント。観測できる限りでも、その開催数はここ数年で大きく増えた。色々批判があったり、文句があったりすることもあると思う。だがそこには「好き」やら「楽しい」といった純粋な気持ちがあって、イベント毎に共感した人たちが集まっている。

_HIN5918-001

_HIN5720-001

一つ一つ、一人一人はそんなに大きな力ではなかったのかもしれないけれども、そこに確かな力が集まったからこそ、自分もやってみたいであったり、他にも行ってみようと繋がって大きくなり宴は行われている。

朝方、日が昇る頃に雨が弱まったので建屋から出ると、同じように出てきた人々が晴れやかな顔で雑談していた。

_HIN5961-001

通して見ると思っていたよりもまったりとしたイベントだ。

そう長くない時間で壇上のパフォーマンスが入れ替わるし、ステージが3つあるので、先の村上氏の言葉通り、自分に合ったイベントを探して見れば良い。

隣接した高架の上をゆりかもめが走り出すと、少しずつ人が減っていく。
遊び疲れて帰った人もいるだろうが、最寄りの有明テニスの森駅とは反対側に向かって環二道路沿いを歩み出す人も多い。その先には何がある。東京ビックサイトだ。

そう、明けて8月11日はコミケ1日目。

自分たちの好きなことをやるために集まり始めた表現者たちのハレの日は、紆余曲折を経ながらも最早世界的とも言えるイベントになった。

_HIN6061-001

そんなイベントも歴史の中でルールを作り、環境を整備して、変化や困難に対応してきた。

まだ歴史の浅いアニソンクラブイベントも、これから大きな節目や困難を迎えるであろうことは想像に難くない。
奇しくもこの宴も今、会場問題に直面している。ディファ有明での開催は次回冬の宴2017で最後だ。

そのことについて問うと、「(その後も)やらないはないですよ」とこともなげに答えてくれた。

時間が経つにつれて、見る人、やる人、作る人が入れ替わる。場所も変わる。関わる人によってルールも変わるかもしれない。
カレー食ってる場合じゃなくなるかもしれないし、インタビューでもなかなか正直に話せないなんて時期が来るのかもしれない。

しかし一番初めの「好きで楽しいから」でやって欲しいと思った。
「正直言って、一応主催者ですけどこの宴でやってることはー、無いですね。本当みんなのイベントなんで」

宴は終わらない。

 

ライター/PHOTO:藤内啓一
https://twitter.com/fujiuchi

編集:ワタナベイチローちゃん
https://twitter.com/ichiro_chann